福袋といえばお正月の風物詩ですが、Xで企業の福袋投稿が盛り上がるのは、実は年が明ける前です。

今回集めた事例を見ても、反応を集めた投稿の多くは11月中旬から12月上旬、予約や抽選の受付が始まるタイミングに出ています。お正月に向けた福袋の告知は、秋のうちから準備が始まっているわけです。

この記事では、飲食チェーンやお菓子メーカーなど8社の福袋の投稿9件を紹介します。何を、どの順番で見せたのか。実際の投稿と反応を振り返りながら、2027年の福袋の告知に取り入れられそうなアイデアを探していきます。

2027年の福袋告知を考えるポイント

  • 告知の山場は11〜12月。 予約・抽選の受付開始日が、Xでいちばん見てもらえる日になります。2027年の福袋なら、2026年の秋には投稿の準備を始めたいところです
  • 中身は「全部」より「1つ」から見せる。 マクドナルドは、福袋の全容より先に、ポテト型の加湿器の写真1枚だけを投稿しました
  • グッズに「そのブランドらしさ」を入れる。 コメダ珈琲店のソファー柄、鎌倉紅谷のリスくん。お店や商品を知っている人ほど欲しくなるグッズは、それだけで話題になります
  • 保存数も見ておく。 福袋の告知は、その場でいいねするより「あとで買うために」保存されることがあります。鎌倉紅谷の投稿は、いいね率に比べて保存率が高めでした

初売り・福袋の基本情報

Basics

販売時期
1月1日〜3日ごろ(初売り)
Xで話題になる時期
予約・抽選受付が始まる11月〜12月、販売直後の1月上旬
よく使われる言葉
福袋、初売り、福袋 中身、予約
主なハッシュタグ
#福袋 #初売り(「#マクドナルドの福袋2024」のようなブランド名入りのタグも多い)
相性の良い業種
小売、アパレル、飲食、食品、コスメ

目的から企画を選ぶ

以下は企画を考えるときの目安です。どの企画でも、この効果が必ず出るわけではありません。

Purpose

  1. 01予約・購入を増やしたい

    検討したい企画

    目玉グッズの先出し、中身紹介シリーズ、お得さの見える化

    あとで見る数字

    リンクのクリック数、予約数、保存

  2. 02多くの人に話題にしてほしい

    検討したい企画

    目玉グッズの先出し、キャラクターとのコラボ

    あとで見る数字

    表示数、リポスト・引用

  3. 03ファンに喜んでほしい

    検討したい企画

    ブランドらしさを入れたグッズ

    あとで見る数字

    保存、返信の内容

  4. 04フォロワーを増やしたい

    検討したい企画

    福袋のプレゼントキャンペーン

    あとで見る数字

    フォロワー純増、キャンペーン後のフォロー継続率

8社の事例一覧

「作りやすさ」は編集部の目安です。いいね率は「いいね数 ÷ 表示数」で出した、この記事独自の参考値で、企業や企画の優劣を示すものではありません。

Cases

  • マクドナルド目玉グッズの先出し→詳細

    投稿日
    2023年12月11日
    いいね率
    0.7%
    保存率
    0.01%
    作りやすさ
    中
  • 鎌倉紅谷ブランドらしさのあるグッズ

    投稿日
    2025年11月11日
    いいね率
    0.8%
    保存率
    0.20%
    作りやすさ
    中
  • コメダ珈琲店ブランドらしさのあるグッズ

    投稿日
    2023年11月15日
    いいね率
    0.6%
    保存率
    0.03%
    作りやすさ
    中
  • ミスタードーナツキャラクターとのコラボ

    投稿日
    2023年11月29日
    いいね率
    0.6%
    保存率
    0.02%
    作りやすさ
    難
  • モスバーガーキャラクターとのコラボ+お得さ

    投稿日
    2022年11月17日
    いいね率
    —
    保存率
    —
    作りやすさ
    難
  • サンマルクカフェ中身紹介シリーズ

    投稿日
    2025年12月10日
    いいね率
    1.0%
    保存率
    0.13%
    作りやすさ
    易
  • 澤田食品販売告知+プレゼント

    投稿日
    2023年11月27日
    いいね率
    1.0%
    保存率
    0.01%
    作りやすさ
    中
  • サンポー食品リポスト数で賞品が変わるプレゼント

    投稿日
    2024年12月25日
    いいね率
    1.3%
    保存率
    0.03%
    作りやすさ
    中

モスバーガーの投稿は、Xで表示数が公開される前のものなので、率は出していません。

事例で見る、福袋の見せ方

目玉グッズを1つだけ先に見せる

マクドナルド|2023年12月11日 11:00 と 11:30

Xで投稿を見る(マクドナルド:ポテト加湿器)(新しいタブで開きます)

本文は「ポテト加湿器できちゃいました」の一言とハッシュタグだけ。写真には、マクドナルドのポテトの形をした加湿器から、湯気が立ちのぼっている様子が写っています。

福袋の内容や価格には一切触れていません。それでも表示は447万、いいねは3.2万。30分後に出た福袋の詳細の投稿よりも、多く見られています。

Xで投稿を見る(マクドナルド:福袋の詳細)(新しいタブで開きます)

その30分後に、「2024年の福袋は『BRUNO』とコラボ」という詳細の投稿が続きます。コラボ相手、無料券、金のマックカードが当たるチャンスまで、情報はこちらにまとまっています。

おもしろいのは、情報量の多い詳細の投稿より、ポテトの写真1枚の方が反応が大きかったことです。「何これ?」と思わせるグッズを先に見せて、詳しい情報はあとから出す。福袋の告知に限らず、目玉商品がある企画なら試せる順番です。

ブランドらしさをグッズに入れる

鎌倉紅谷|2025年11月11日 13:00

Xで投稿を見る(鎌倉紅谷)(新しいタブで開きます)

看板商品「クルミッ子」の形をしたふわふわのクッションや、リスくんの焼き目がつけられるミニフライパン。お菓子の詰め合わせに、ここでしか手に入らないグッズを組み合わせた福袋です。

目を引くのは保存の多さです。保存は3,476件で、表示に対する保存率は0.20%。今回の8社の中で最も高い数字でした。販売は一部の直営店舗とオンラインショップ、百貨店サイトに限られていて、買いたい人が発売日や販売先を確認するために保存しておいた、ということもあるかもしれません。

クルミッ子のリスのキャラクターを知っている人なら、写真を見ただけで欲しくなる。ファンの多いお菓子ブランドだからこそのグッズです。

コメダ珈琲店|2023年11月15日 20:31

Xで投稿を見る(コメダ珈琲店)(新しいタブで開きます)

「今年の目玉商品は、あのソファー柄を使ったバッグやポーチ」。コメダに行ったことがある人なら、「あの」が何を指しているかすぐにわかります。

商品ではなく、お店のソファーをグッズにしたのがこの福袋のおもしろいところです。店舗の内装や制服、包装紙など、お客さんの記憶に残っているものはグッズの素材になります。

キャラクターとのコラボで広げる

ミスタードーナツ|2023年11月29日 10:30

Xで投稿を見る(ミスタードーナツ)(新しいタブで開きます)

ポケモンとのコラボで知られるミスド福袋の、予約開始の告知です。本文には「気になる人はリポスト」「欲しい人はいいね」と、反応の仕方を指定する一文が入っています。

コラボの相手が大きいほど、その相手のファンにも情報が届きます。この年はポケモンの公式アカウントもミスド福袋の発売を告知していました。コラボの場合は、相手先のアカウントでも告知してもらえるかどうかまで含めて計画しておくと、届く範囲が変わります。

ミスドは2026年の福袋(55周年セレクション)の告知でも「気になる!と思った人はいいね」と書いていて、反応の仕方を指定する書き方は2年後の告知にも引き継がれています。

モスバーガー|2022年11月17日 18:00

Xで投稿を見る(モスバーガー)(新しいタブで開きます)

シナモロールとのコラボ福袋の予約開始の予告です。注目したいのは価格の見せ方。「3,500円分のお食事補助券とかわいいコラボグッズ」と書いたあとに、「これで販売価格が3,500円…!」と続けています。

補助券だけで元が取れて、グッズはおまけ。計算しなくてもお得さが伝わる書き方です。飲食店の福袋は補助券や無料券が入ることが多いので、価格と券の金額の関係を一文で示すだけで、購入を迷っている人の背中を押せます。

中身を1つずつ紹介する

サンマルクカフェ|2025年12月10日 11:00

Xで投稿を見る(サンマルクカフェ)(新しいタブで開きます)

「サンマルクカフェ福袋の中身紹介」として、ミニサイズのチョコクロがついたタンブラーを1つだけ取り上げた投稿です。色はオレンジとブラウンの2種類で、「どちらが当たるかはお楽しみ」とあります。

福袋の中身を1点ずつ別の投稿で紹介していけば、予約期間中に何度も話題を出せます。新しい撮影や企画を毎回用意する必要がなく、8社の中では最も取り入れやすい見せ方です。保存率も0.13%と、鎌倉紅谷に次いで高めでした。

販売とプレゼントを組み合わせる

澤田食品|2023年11月27日 12:02

Xで投稿を見る(澤田食品)(新しいタブで開きます)

「毎年即完売!!だが今年はキャンペーン分確保したどー!!!」。ふりかけの澤田食品が、福袋の販売開始と同時に、3名に福袋が当たるプレゼントキャンペーンを行った投稿です。

「毎年即完売」の一言で人気を伝えつつ、買えなかった人にもチャンスがあると知らせています。福袋の発売告知とプレゼントを1つの投稿にまとめているので、キャンペーンで集まったリポストがそのまま販売の告知にもなります。

サンポー食品|2024年12月25日 12:00

Xで投稿を見る(サンポー食品)(新しいタブで開きます)

「リポスト数に応じて当選商品が豪華に」。焼豚ラーメンで知られるサンポー食品の、福袋が当たるプレゼントキャンペーンです。

フォローとリポストで応募する形はよくありますが、リポストが増えるほど賞品が良くなるので、応募した人が「もっと広めたい」と思える仕組みになっています。リポストは1万件を超え、表示に対するリポストの割合は8社の中で最も高い4.0%でした。

ただ、こうしたキャンペーンの数字はほかの投稿と同じ物差しでは比べられません。キャンペーンの後もフォローを続けてくれているか、通常の投稿にも反応があるかまで見て振り返りましょう。

実施前の確認:Xのキャンペーンに関するガイドライン(複数アカウントでの応募や、同じ内容を繰り返し投稿させる企画への注意など)と、景品に関する法令を事前に確認しておきましょう。

投稿のタイミング

今回の9件のうち7件は、11月中旬から12月中旬に投稿されています。多くは予約や抽選の受付開始日です。

Timing

  1. 11月中旬

    鎌倉紅谷(11/11)、コメダ珈琲店(11/15)、モスバーガー(11/17 予約開始の予告)

  2. 11月下旬

    澤田食品(11/27 販売開始)、ミスタードーナツ(11/29 予約開始)

  3. 12月中旬

    サンマルクカフェ(12/10 中身紹介)、マクドナルド(12/11 予約開始)

  4. 12月下旬

    サンポー食品(12/25 プレゼントキャンペーン)

これは今回選んだ事例の分布で、福袋の投稿全体の傾向を示すものではありません。それでも、福袋の告知は1月より前に勝負が始まっていることはわかります。

予約開始の告知だけで終わらせず、マクドナルドのように先出しと詳細を分けたり、サンマルクカフェのように予約期間中に中身を1つずつ紹介したりすると、投稿の機会を増やせます。

2027年に使える企画アイデア

Ideas

  1. 01驚きのある目玉グッズがある

    検討したい見せ方

    目玉グッズの先出し

    アイデア

    予約開始日の朝にグッズの写真1枚だけを投稿し、詳細は時間をあけて出す

  2. 02店舗や商品に印象的なデザインがある

    検討したい見せ方

    ブランドらしさのあるグッズ

    アイデア

    内装、制服、包装紙、看板商品の形をグッズにする

  3. 03福袋の中身が複数ある

    検討したい見せ方

    中身紹介シリーズ

    アイデア

    予約期間中に1点ずつ紹介し、毎回同じハッシュタグをつける

  4. 04飲食店で、補助券や無料券が入る

    検討したい見せ方

    お得さの見える化

    アイデア

    「券だけで元が取れる」ことを一文で書く

  5. 05毎年売り切れる

    検討したい見せ方

    販売告知+プレゼント

    アイデア

    「毎年完売」の実績を伝えつつ、プレゼント枠を用意する

  6. 06フォロワーを増やしたい

    検討したい見せ方

    プレゼントキャンペーン

    アイデア

    リポスト数に応じて賞品が変わるなど、応募者が広めたくなる仕組みを入れる

準備スケジュールとチェックリスト

Schedule

  1. 9〜10月

    福袋の中身と目玉グッズを決め、投稿の目的とあとで見る数字を決める

  2. 10月

    グッズの撮影。先出し用の1枚と、中身紹介用の写真を分けて用意する

  3. 11月〜12月上旬

    予約・抽選の受付開始日に告知。予約期間中は中身紹介などで投稿を続ける

  4. 1月上旬

    販売開始・完売の報告。購入者の開封投稿にも目を向ける

  5. 1月中旬

    予約数やクリック数と合わせて振り返る

公開前チェックリスト

  • 予約・抽選の受付開始日と販売先が、投稿だけで確認できるか
  • 目玉グッズの写真が、説明なしでも目を引くか
  • 価格とお得さの関係がひと目でわかるか
  • 「写真はイメージです」など、実物との違いがある場合の注意書きを入れているか
  • コラボの場合、相手先のアカウントでの告知予定を確認しているか
  • キャンペーンの場合、応募規約・当選連絡・問い合わせ対応の準備ができているか