1月2日と3日。お正月のテレビで箱根駅伝を見ながら、スマホでXを開く人は少なくありません。タイムラインには「#箱根駅伝」のポストが次々と流れてきます。

ただ、このモーメントで反応を集めている企業のポストを探してみると、顔ぶれはかなり限られていました。上位に並ぶのは、番組の公式アカウントや大学、ニュースメディア、そして現地や中継を見ている個人の投稿です。

その中で反応を集めていた企業・団体のポストには、共通点があります。どれも、箱根駅伝と「実際に関わりのある」立場から投稿しているのです。

この記事では、箱根駅伝の期間に企業・団体が投稿したXのポスト7件を紹介します。2027年の箱根駅伝に、自社はどう関われるのか。実際のポストと反応から考えていきます。

ハッシュタグの付け方や、何個までつけるのがいいかは、Xのハッシュタグの付け方で解説しています。

2027年の箱根駅伝で考えるポイント

  • 自社と箱根駅伝の「関わり」を探す。 シューズや車両の提供、番組のCM、コースの沿線、社員や関係者の母校。反応を集めていたのは、こうした関わりのある立場からのポストでした
  • 速報性が問われる。 アディダスは、選手が区間新記録を出したその日のうちに、記録とシューズの名前を入れたポストを出していました。結果に合わせて出すなら、当日の体制が必要です
  • 大会の前・最中・後で役割が違う。 大会前は告知、最中は実況や応援、終わったあとはねぎらい。トヨタは、大会前と大会後でまったく違う内容のポストを出しています
  • 関わりがないなら、無理に便乗しない。 大会名や選手の写真の扱いには、主催者や権利者の規定があります。関係のない宣伝に「#箱根駅伝」をつけるのは避けましょう

箱根駅伝の基本情報

Basics

日程
毎年1月2日(往路)・3日(復路)
2027年の日程
1月2日(土)・3日(日)※第103回
話題になる時間帯
両日とも朝のスタートからゴールまで(往路・復路それぞれ午前8時スタート)、特にゴール前後
よく使われる言葉
箱根駅伝、往路、復路、区間新、山の神、たすき
主なハッシュタグ
#箱根駅伝
相性の良い業種
スポーツ用品、自動車、飲料・食品、大会の協賛・番組スポンサー、沿線の企業や自治体

7件の事例一覧

いいね率・保存率は「いいね数(保存数)÷ 表示数」で出した、この記事独自の参考値で、企業や投稿の優劣を示すものではありません。

Cases

  • アディダス ジャパン選手のシューズを提供

    投稿日時
    2026年1月2日 13:58
    投稿のタイミング
    大会中(記録が出た直後)
    いいね率
    2.0%
  • アディダス ジャパン選手のシューズを提供

    投稿日時
    2025年1月3日 13:39
    投稿のタイミング
    大会中(総合優勝の直後)
    いいね率
    0.5%
  • トヨタ自動車大会の車両を提供

    投稿日時
    2026年1月1日 18:30
    投稿のタイミング
    大会前日
    いいね率
    0.2%
  • トヨタ自動車大会の車両を提供

    投稿日時
    2024年1月3日 14:00
    投稿のタイミング
    大会終了後
    いいね率
    1.3%
  • DHC中継番組でCMを放送

    投稿日時
    2026年1月1日 9:00
    投稿のタイミング
    大会前日
    いいね率
    5.4%
  • 東京農業大学コースの近くにある

    投稿日時
    2026年1月3日 9:35
    投稿のタイミング
    大会中(復路)
    いいね率
    1.2%
  • 東京大学在学生が出場

    投稿日時
    2026年1月3日 10:53
    投稿のタイミング
    大会中(復路)
    いいね率
    1.7%

事例で見る、箱根駅伝との関わり方

選手と一緒に走る道具をつくる立場から

アディダス ジャパン|2026年1月2日 13:58

Xで投稿を見る(アディダス ジャパン)(新しいタブで開きます)

「シン・山の神爆誕。怪物の独壇場。絶対王者の主将たる所以。」。往路の5区で区間新記録を出した青山学院大学の選手をたたえる、2026年の往路当日のポストです。本文には、選手と大学の陸上部のアカウント、記録のタイム、そして選手が履いていたシューズの名前が並んでいます。

いいねは2.1万件、表示は105万。往路の結果が出たその日の午後に、記録とシューズを結びつけたポストを出しています。

アディダス ジャパン|2025年1月3日 13:39

Xで投稿を見る(アディダス ジャパン)(新しいタブで開きます)

前年の2025年も、復路の当日に「最高の笑顔、史上最速で大手町へ。」と、総合優勝をたたえるポストを出していました。アディダスは、往路・復路の結果に合わせたポストを、年をまたいで続けています。

2つのポストを比べると、反応の大きさには差があります。2026年のポストは、「山の神」という箱根駅伝ファンになじみのある言葉と、区間新記録という大きなニュースが重なったタイミングでした。

選手の活躍に合わせて投稿するには、結果が出てから文章や画像を用意していては間に合いません。どの選手がどんな結果を出しても対応できるよう、事前に準備を整えていたと考えられます。

大会を支える立場から

トヨタ自動車|2026年1月1日 18:30

Xで投稿を見る(トヨタ自動車)(新しいタブで開きます)

「第102回箱根駅伝がまもなくスタート」。大会の前日に、トヨタが駅伝で使う車の排気ガスを減らす取り組みを始めたことを、動画で紹介したポストです。

トヨタ自動車|2024年1月3日 14:00

Xで投稿を見る(トヨタ自動車)(新しいタブで開きます)

こちらは2024年の復路のゴール後。「箱根駅伝をサポートした車両たちも続々と大手町に戻ってまいりました」と、選手や関係者に加えて、車両を運転したドライバーにもねぎらいの言葉を送っています。

同じトヨタでも、大会前のポストは自社の取り組みの紹介、大会後のポストは裏方へのねぎらいと、役割がまったく違います。いいね率は、大会後のねぎらいのポスト(1.3%)の方が、大会前の取り組み紹介のポスト(0.2%)より高くなっていました。テレビに映る運営車両は、視聴者にとってもなじみのある存在です。主役の選手ではなく、大会を一緒に支えた人たちに目を向けたポストは、大会を見届けた人たちの気持ちに寄り添う内容でした。

番組のCMと連動させる立場から

DHC|2026年1月1日 9:00

Xで投稿を見る(DHC)(新しいタブで開きます)

元日の朝、アンバサダーの二宮和也さんと、新しいCMに出演する白本彩奈さんの新年のあいさつ動画を投稿し、「DHCの新しいCMはいよいよ明日の #箱根駅伝 で放送します!」と告知しています。

箱根駅伝の中継では、多くの企業がCMを流します。X上で「明日の箱根駅伝で新CMを放送」と予告しておけば、番組を見る人にCMを待ってもらうきっかけになります。いいね率は5.4%、保存率も0.39%と高めですが、これは出演者のファンの反応による部分も大きいと考えられます。

コースの近くにいる立場から

東京農業大学|2026年1月3日 9:35

Xで投稿を見る(東京農業大学)(新しいタブで開きます)

「箱根駅伝唯一の踏切区間。電車は選手の通過を待ってくれています。」。本文はこの一文だけです。

選手でも記録でもなく、コースの途中にある踏切という小さな風景を切り取ったポストですが、いいねは1万件を超えました。中継を見ている人にとっては「あの踏切だ」とわかる、見慣れた場所でもあります。

コースの沿線にある企業や店舗、自治体なら、「現地からしか撮れない風景」を投稿することができます。

関係者を応援する立場から

東京大学|2026年1月3日 10:53

Xで投稿を見る(東京大学)(新しいタブで開きます)

「富士山を背に、復路7区を全力で駆け抜けた秋吉選手、区間4位相当の力走!!」。在学生の走りを、富士山を背景にした写真とともにたたえたポストです。

自社の社員の出身校の選手や、地元出身の選手など、「身内」を応援するポストは、関わりがはっきりしているぶん、見ている人にも自然に受け止められます。

箱根駅伝のXで気をつけたいこと

関わりのない宣伝に便乗しない

箱根駅伝の期間は「#箱根駅伝」のハッシュタグを多くの人が見ています。ただ、大会と関係のない商品の宣伝にハッシュタグをつけるのは、Xのルールで禁止されている「トレンドや人気のハッシュタグの悪用」にあたるおそれがあります。

また、大会名やロゴ、中継の映像、選手の写真の扱いには、主催者や権利者の規定があります。協賛や番組提供などの関わりがない場合は、使い方を事前に確認しましょう。

お正月の出来事に配慮する

箱根駅伝は、お正月の休み中に行われます。2024年の第100回大会は、元日に能登半島地震が発生した直後の開催でした。お正月の時期に大きな災害が起きた場合は、予約していたポストを止めることも含めて、投稿の内容を見直す必要があります。予約投稿の止め方は、Xの予約投稿のやり方で解説しています。

結果に合わせて出すなら、当日の体制を決めておく

アディダスのように結果に合わせてポストを出すには、お正月の休み中に投稿する担当者と、確認する担当者が必要です。どの結果のときにどのポストを出すのか、文案のパターンを事前に用意しておくと、当日の確認がスムーズになります。

2027年の箱根駅伝に向けたアイデア

Ideas

  1. 01選手が使う商品を提供している

    検討したいポスト

    結果に合わせたポスト

    アイデア

    区間賞や記録が出たときに、選手と商品を結びつけたポストを出す。文案は事前に複数用意する

  2. 02大会の運営に関わっている

    検討したいポスト

    大会前・大会後のポスト

    アイデア

    大会前に取り組みを紹介し、大会後に関係者や裏方をねぎらう

  3. 03中継でCMを流す

    検討したいポスト

    CMの予告

    アイデア

    前日や当日の朝に「今日の箱根駅伝で新CMを放送」と予告する

  4. 04コースの沿線にある

    検討したいポスト

    現地の風景

    アイデア

    自社の店舗や拠点の近くを選手が通る様子など、現地からしか見られない風景を投稿する

  5. 05社員や関係者が出場する

    検討したいポスト

    応援・ねぎらいのポスト

    アイデア

    母校や地元の選手の走りをたたえる

  6. 06大会との関わりがない

    検討したいポスト

    無理に参加しない

    アイデア

    箱根駅伝を見ながら過ごすお正月の過ごし方など、大会そのものに触れない投稿にとどめる

準備スケジュール

Schedule

  1. 10〜11月

    自社と箱根駅伝の関わりを整理し、投稿するかどうかを決める。協賛や番組提供がある場合は、大会名や映像の使い方の規定を確認する

  2. 12月上旬

    大会前のポスト、結果に合わせたポストの文案と画像を用意し、社内確認を済ませる

  3. 12月下旬

    1月2日・3日の担当者と確認者を決める。予約投稿を設定する

  4. 1月2日・3日

    結果に合わせたポストを出す。災害などが起きた場合は、予約を止める

  5. 1月中旬

    反応を記録し、翌年に向けて振り返る