新メニューの告知は、飲食チェーンのXでいちばん多い投稿のひとつです。商品名、価格、発売日、商品写真。必要な情報をそろえれば、告知としては十分に成立します。

ただ、タイムラインに流れてくる告知の多くは、見た人に「へえ」と思われて終わります。一方で、同じ新メニューの告知でも、いいねが数万件集まり、引用や返信で話題が広がっていく投稿があります。

違いはどこにあるのか。この記事では、飲食チェーンが新メニューや期間限定商品をXで告知した投稿の中から、反応を集めた9件を取り上げ、7つの投稿パターンに整理しました。

この記事のポイント

  • 情報を全部載せない。 反応を集めた告知には、本文が一言だけのものが少なくありません。マクドナルドの「今年も豊作っ!」は、商品名すら書かれていません
  • 変わったところを1つだけ言う。 「チーズが3種に」のように、前と何が違うのかを1行で伝えます
  • いいねとリポストに意味を持たせる。 「気になる人はいいね、食べたい人はリポスト」「Mならリポスト、Lならいいね」。反応のボタンを投票に変えると、見た人が参加しやすくなります
  • 季節の定番は「今年も」で十分。 毎年待っている人がいる商品なら、モスバーガーの「おしるこ、今年も販売しています」のように一言で伝わります

飲食店のSNSで、Xが向いていること

飲食店のSNSは、Instagram、X、LINE、TikTokなどを使い分けるのが一般的です。その中でXが向いているのは、「今日から」「今週から」といった、タイミングのある情報を広げることです。

リポストや引用によって、フォロワー以外の人にも投稿が届きます。新メニューの発売日や期間限定の告知は、まさにXの得意分野です。一方で、流れるのが速いぶん、ただのお知らせはすぐに埋もれます。告知を「話題」にするには、見た人が思わず反応したくなる一工夫が必要になります。

9件の事例一覧

いいね率・保存率は「いいね数(保存数)÷ 表示数」で出した、この記事独自の参考値です。アカウントの規模やフォロワーの層、広告配信の有無が各社で違うため、企業や投稿の優劣を示すものではありません。各投稿の元の数値は記事の最後に載せています。

企業投稿日投稿パターンいいね率保存率
マクドナルド2025年10月1日写真と一言だけで見せる1.2%0.02%
マクドナルド2025年11月27日変わったところを1行で言う2.0%0.07%
ミスタードーナツ2025年1月6日予告で待つ時間をつくる1.1%0.06%
スシロー2026年10月9日予告で待つ時間をつくる1.1%0.12%
マクドナルド2026年3月13日いいねとリポストを投票にする3.0%0.02%
モスバーガー2025年11月20日季節の定番を「今年も」で伝える1.9%0.07%
コメダ珈琲店2026年10月7日季節のテーマを一文で言う1.7%0.19%
KFC2026年10月14日対立をつくってキャンペーンにする0.1%0.00%
スシロー2026年10月5日新商品にプレゼントをつける6.6%0.03%

KFCとスシローの「本鮪大とろ」の投稿は、リポストやいいねが応募条件のキャンペーンです。ほかの投稿と同じ物差しでは比べられません。

新メニュー告知を「話題」に変える7つの投稿パターン

1. 写真と一言だけで見せる

マクドナルド|2025年10月1日 15:00

Xで投稿を見る(マクドナルド)

本文は「今年も豊作っ!」の一言だけ。写真は、パイを割って中からフィリングがとろりとあふれ出る断面のアップが2枚並んでいます。商品名も、価格も、発売日も書かれていません。

それでも表示は1,149万、いいねは13.7万件。返信には「抹茶を発売してほしい」といった声も寄せられていました。

マクドナルドほどの知名度があれば、写真を見ただけで「あれが今年も出たんだ」とわかる人が大勢います。説明を省くと、見た人は「何の商品だろう」と写真をじっくり見て、返信や引用で答え合わせを始めます。知名度の高い定番商品や、見た目に特徴のある商品なら試す価値のある見せ方です。

2. 変わったところを1行で言う

マクドナルド|2025年11月27日 7:00

Xで投稿を見る(マクドナルド)

「なんと、チーズが3種に!!!」。商品名の「とろ〜り3種のチーズのビーフシチューパイ」と発売日はそのあとに続きます。

新メニューの告知は、どうしても商品名から書きたくなります。でもこの投稿は、商品名より先に「何が変わったのか」を言い切っています。リニューアルや季節の復刻なら、前との違いがいちばんのニュースです。告知文を書くときは、「この商品のニュースは何か」を1行にまとめてから、商品名と日付を足すと伝わりやすくなります。

3. 予告で「待つ時間」をつくる

ミスタードーナツ|2025年1月6日 11:30

Xで投稿を見る(ミスタードーナツ)

「予告✨ 1月10日(金)新発売」。ベルギーのショコラブランド、ピエール マルコリーニとのコラボドーナツを、発売の4日前に告知した投稿です。いいねは7.6万件、保存は3,854件ありました。

本文の最後には「気になる人はいいね、食べたい人はリポスト」とあります。発売日を先に知らせ、その日まで「食べたい」という気持ちを表明してもらう。発売当日の告知だけでは生まれない、待つ時間がつくられています。

スシロー|2026年10月9日 11:00

Xで投稿を見る(スシロー)

「10/14(水)から、おいもフェス2026開催!」。さつまいものメニューをまとめて「フェス」として予告した投稿です。「おいも好きはスシローに集合ですよ~!」と、来てほしい人を名指ししています。

複数の新メニューを1つずつ告知するより、テーマでまとめて名前をつけた方が、イベントとして覚えてもらいやすくなります。保存率は0.12%で、発売日まで覚えておくために保存した人もいたのかもしれません。

4. いいねとリポストを投票にする

マクドナルド|2026年3月13日 11:30

Xで投稿を見る(マクドナルド)

「両方250円だけど、どっち買う?」。ポテトのMとLが同じ250円になる期間限定キャンペーンの告知です。画像には「あえてのM」の下にリポスト、「当然のL」の下にいいねのマークが描かれています。

結果は、いいねが5.9万件、リポストが2,454件。「当然のL」の圧勝です。数字そのものが投票結果になっているので、見た人は投票するだけでなく、結果を見て楽しむこともできます。いいね率は3.0%で、今回の9件の中でキャンペーンを除くと最も高い数字でした。

「同じ値段ならLでしょ」という、多くの人が思っていることを問いにしたのもうまいところです。価格のキャンペーンは、説明すると長くなりがちですが、二択の質問にすると一瞬で伝わります。

5. 季節の定番は「今年も」で伝える

モスバーガー|2025年11月20日 14:30

Xで投稿を見る(モスバーガー)

「モスのおしるこ、今年も販売しています🤎」。本文はこれだけです。

ハンバーガーチェーンでおしるこ、という意外さもありますが、何より「今年も」の3文字が効いています。毎年冬を楽しみにしている人にとっては、それだけで十分なお知らせです。いいねは4.5万件。

季節の定番商品は、毎年同じ告知を繰り返すことになりがちです。「今年も」「お待たせしました」と、待っていた人に語りかける形にすると、定番であることそのものがニュースになります。

6. 季節のテーマを一文で言う

コメダ珈琲店|2026年10月7日 15:30

Xで投稿を見る(コメダ珈琲店)

「コメダ珈琲店の秋冬は、とろけるキャラメルが主役。」季節限定の4商品を、1つのテーマでまとめて紹介しています。

保存は5,044件で、保存率は0.19%。今回の9件の中で最も高い数字です。季節限定のメニューは、すぐには行けなくても「今度行ったときに頼もう」と保存しておく人がいるのかもしれません。

複数の新メニューを並べるときは、スシローの「おいもフェス」と同じように、共通するテーマを一文で先に言うと、ラインナップ全体の印象が残りやすくなります。

7. 対立をつくってキャンペーンにする

KFC(ケンタッキーフライドチキン)|2026年10月14日 0:00

Xで投稿を見る(KFC)

「43年ぶりにリニューアル!オリジナルチキンバーガーズ本日発売」。そして「KFCの看板商品はチキン?バーガー?」と問いかけます。

フォローとリポストで参加するキャンペーンですが、ハッシュタグ「#バーガーの大逆襲」か「#チキンの貫禄」をつけて引用リポストすると当選確率が上がる仕組みです。新商品のバーガーと、看板商品のチキン。自社の商品同士を対決させて、どちらの味方につくかを選んでもらっています。

表示は5,772万、リポストは9.1万件。キャンペーンなので数字はほかの投稿と比べられませんが、引用リポストに「どちらを選ぶか」を書いてもらうことで、応募そのものが商品の話題になっています。

スシロー|2026年10月5日 11:00

Xで投稿を見る(スシロー)

スシローは、新商品の告知に「抽選で10名さまにデジタルお食事券」というプレゼントをつけることがよくあります。「本鮪大とろ」の投稿もその1つで、いいね&リポストが応募条件です。

賞品が自社のお食事券なので、当選した人は店舗に来ることになります。新商品の告知と来店のきっかけを、1つの投稿にまとめた形です。キャンペーンの条件の決め方は、Relensのフォロー&リポストキャンペーンの設計でも詳しく解説しています。

新メニュー告知を書くときのチェックリスト

  • この新メニューの「ニュース」は何かを1行で言えるか(新しい、変わった、帰ってきた、限定、など)
  • 本文に情報を詰め込みすぎていないか。商品名・価格・日付は画像やリンク先に任せられないか
  • 写真だけで、何の商品かわかるか
  • 発売日の前に予告を出す余裕はあるか
  • いいねやリポスト、返信に、見た人が参加したくなる意味を持たせられるか
  • 複数のメニューを出すとき、共通するテーマを一文で言えるか
  • 季節の定番なら、待っていた人に向けた言い方になっているか

よくある質問

飲食店のSNSでXを使うメリットは何ですか?

リポストや引用によって、フォロワー以外にも投稿が広がりやすいことです。新メニューの発売日や期間限定の情報など、タイミングのある告知と相性が良いSNSです。

新メニューの告知文はどう書けばいいですか?

まず、その新メニューの「ニュース」を1行で言えるかを考えます。「チーズが3種に」「今年も販売しています」のように、何が新しいのか、何が変わったのかを先に書き、商品名や日付はそのあとに続けます。情報を本文に詰め込みすぎないことも大切です。

新メニューの告知はいつ投稿すればいいですか?

発売当日の告知に加えて、数日前に予告を出すのも有効です。ミスタードーナツは発売の4日前、スシローは5日前に予告を出していました。予告があると、発売日まで「食べたい」という気持ちを持ち続けてもらえます。

飲食店のXでプレゼントキャンペーンは必要ですか?

必須ではありません。今回紹介した9件のうち7件は、キャンペーンなしで反応を集めています。キャンペーンを行う場合は、賞品を自社のお食事券などにすると、来店のきっかけにもなります。

各投稿の数値

2026年10月14日に、各投稿のページで確認した数値です。KFCの投稿は発売当日の数値です。

企業(投稿)表示数いいねリポスト返信保存いいね率保存率
マクドナルド(今年も豊作っ!)11,493,053137,25615,2174722,4381.2%0.02%
マクドナルド(チーズが3種に)2,351,73746,2629,6711571,6852.0%0.07%
ミスタードーナツ(予告)6,782,01276,48626,6151313,8541.1%0.06%
スシロー(おいもフェス予告)2,217,13523,7694,562192,6201.1%0.12%
マクドナルド(どっち買う?)1,972,46459,0672,4543533973.0%0.02%
モスバーガー(おしるこ)2,407,60444,6218,8502511,6911.9%0.07%
コメダ珈琲店(秋冬)2,671,96645,01313,898315,0441.7%0.19%
KFC(キャンペーン)57,726,57630,44491,2807021,6220.1%0.00%
スシロー(本鮪大とろ・キャンペーン)441,91829,21333,8171611386.6%0.03%
  • Xの表示数はユニークユーザー数ではなく、同じ人が複数回見た分や、広告として配信された分も含まれます。
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